DUTIES
業務紹介

タンカーを動かし、エネルギーを安全に海上輸送するためには、船を操り航海を担当する甲板部、エンジンや機器類の運転やメンテナンスを担当する機関部、乗組員の食生活を担う司厨部による各専門分野の知識・技術がすべて不可欠です。また、各部が連携して行う業務や作業も多々あります。各部がどのような業務を行っているのかご紹介しましょう。

Deck department
甲板部

操船と荷役を指揮

甲板部が行う主な業務は、船を操り航海する「航海当直」、ターミナル等の陸上施設に係留(繋げる)、解らん(放す)「係船作業」、貨物の積み降ろしを行う「荷役作業」、そして船のメンテナンス「船体保守整備」です。「航海当直」は担当航海士と甲板部員との2名体制。狭水道の通航時や出入港は必ず船長が昇橋し(ブリッジに立ち)指揮します。出入港時には、船長が船橋にて指揮操船、航海士と甲板部員が船首、船尾に分かれて「係船作業」を行います。
「荷役作業」は、タンカーの重要な任務です。荷役責任者(一等航海士)が荷役指揮を取り、モニターと計器を 見ながら担当の航海士が荷役バルブの遠隔操作を行います。担当航海士、甲板部員が現場確認と安全点検を行います

航海当直

船橋(ブリッジ)にて見張りと操船を行う。4時間ずつ3交代、24時間体制で行う。

係船作業

船と陸上施設とをロープで係留する(繋げる)、または解らん(放す)作業。

荷役作業

貨物を積み込むときは陸上側からポンプで貨物を送り込んでもらい、揚げるときは本船のポンプで送り出します。船体のバランスを保ちつつ、安全確認をしながら貨物の取り扱いを行います。

船体保守整備

船体や設備機器の日常メンテナンスも乗組員の手で行います。

甲板部乗組員インタビュー

Engine department
機関部

エンジン・船内機器の操作と整備

機関部の主な業務は船のエンジン、その他機関室内の機器類の運転、監視を行う「機関当直」と、それらのメンテナンスを行う「機関整備」です。
すべてMゼロ(機関無人化)船なので、日中は機器操作やメンテナンス作業を行い、夜間は当番を指名しアラームが鳴ったら対処する体制をとります。出入港時は、機関長が機関室にて機関監視、一等機関士は船橋でテレグラフ(機関操作)を担当、二等機関士は甲板部とともに係船作業を行います。荷役作業では、機関監視、その他甲板部をサポートします。

機関当直
機関当直

航海中、出入港、荷役作業時、機関室の監視を行う。

機関整備
機関整備

計画に沿った設備機器の日常メンテナンス、定期メンテナンスの他、故障時の対処や修理も可能な限り乗組員の手で行います。

機関部乗組員インタビュー

Steward department
司厨部

乗組員に食事を提供

約10数名の乗組員に食事を提供します。
乗組員の健康を考えたバランスのよい献立を考え、仕入れ、調理、衛生管理まで、船の調理室と食堂のすべてが司厨部の業務です。食糧費は会社負担で、司厨長がこの管理も行っています。1隻に1名の司厨長(コックさん)が乗っています。

司厨部

司厨部乗組員インタビュー

Operation schedule
運航スケジュール例

ひと航海がどのようなスケジュールになるのか、運航スケジュール例をご案内します。

1日目 17:30 千葉⼊港、港外で錨泊待機
2日目 8:00 製油所に着桟、積み荷役
    14:00 出港
3日目 終日、航海
4日目 3:00 ⼋⼾⼊港、港外で錨泊待機
5日目 8:30 ⼋⼾油槽所に着桟、揚げ荷役
    12:30 ⼋⼾出港、積み地港へ回航

エネルギー物流を支える我々は、オペレーターからの指示に従って日々航海し、日本各地で荷役を行っています。

運行スケジュール

3か月乗船して1か月の休暇。乗船中の休日もあります。

乗組員は「3か月乗船して1か月の休暇を取る」というサイクルになります。乗船中でも船が積み地港に戻ったときに次のスケジュール次第で、錨泊待機または公共岸壁などで待機する「仮バース」ができます。仮バースはひと晩~1日前後で月1~2回程度。乗組員は上陸し買い物など思い思いの時間が過ごせる絶好の機会です。
乗組員の交代については、定期航路ではないので乗船地・下船地は日本全国の港です。飛行機や鉄道を使って移動、宿泊することになりますが、もちろん会社が全額負担します。

Interview
船長インタビュー

船長の仕事とタンカー運航で大切なことは?

船を預かり、会社のシステムを実行し船を運航する

船長の仕事の範囲は船のすべてになります。
着桟や東京湾などの狭水道は直接指揮して操船しますが、荷役は一等航海士、機関整備は機関長・機関部が担当していて、それをすべて統括しています。
会社が動かしている船を預かり、会社が動かしているシステムを実行して運航していくのが船長の役割です。
運航スケジュールは、だいたい前日に会社から連絡が来て決まります。他の船が荒天の影響を受けたりすると、急遽、その貨物を受けることもあるので、2、3日先はどこを走っているのかわからない。大変なのは天候次第で運航を調整していかなければならないこと。例えば、「外海に5mの波があるから走れない。一旦1日ここでアンカーを打って(錨泊して)天候の様子を見る」というような。突然風が吹いてきて3、4日航海できないこともあります。そのときの気象情報から判断して、極力、荷主さんの運送スケジュールの遅れを最小限にするよう微調整しながら運航します。

船では人間関係のストレスを溜めないことが大切

内航タンカーに乗船するということは、約3か月間船に乗り合わせた者同士、職場での共同生活を行うということになります。各自の部屋はありますが、部屋から出たらもう職場です。陸上の会社だったら、嫌なことがあったり嫌な人間がいても家に帰ればホッとできますが、船上ではその度合いが違います。
逃げ場がないと人は追い詰められてしまいます。だから船では人間関係のストレスを溜めないことが大切なんです。
そのためできるだけ船内では、乗組員とよくコミュニケーションをとるように心掛けています。毎日のミーティングや当直中はもちろんですが、食事中や休憩室でテレビを見るときなどよく話します。というのも、やはり仕事だけしかコミュニケーションを取っていないと、物事がうまくいかないことが多いから。何気ない部分、仕事以外のところでコミュニケーション取っておくと、いざというときでもこの人がどう考えてどう動くかが予想できますし。普段から接していかないとうまくいかないですね。

世代間の違いに注意して、引いたところで全体を見るように

他の船会社の場合、乗組員は50代60代が多くて40代以下が少ないという状況もあろうかと思われますが、当社は20代30代が大多数です。年代が上の乗組員は「食事は全員一緒に食べるものだ」とかつては教えられたものですが、今は違います。確かに船は職場なんですが、仕事とプライベートをごっちゃにされると今の若い乗組員たちにとってはそれがストレスになってしまう。あくまでも仕事は仕事、それ以外はプライベート。若い乗組員のプライベートにはあまり深く干渉しないよう心がけています。
どうしても世代が違うと考え方も違います。古くからいる人、例えば年配の甲板長の何気ない言い方が若手乗組員には威圧的だったり…などといったことも過去にはあったでしょう。
当社は比較的若手の乗組員が多いので、いい意味でそういうのはありませんが、みんなができるだけ仕事上のストレスを溜めないように気を付けています。私の場合、50代以上の乗組員も若い乗組員も部下になるので難しい部分ですが、バランスを見ながら。船長が中心になって何事も突っ走ってしまうと周りが見えなくなるので、少し引いたところで全体を見るようにしています。

今なら年齢関係なく、頑張り次第で職位を上げていけます!

新人乗務員が初めて乗船するときは、何も分からない状態から少しずつ直属の上司に日々の仕事を教えてもらい、だいたい3、4か月経てばある程度の通常業務までは慣れ始めてくるようになります。
そこから先は、一生懸命毎日勉強してコツコツ仕事を覚えていけば、年齢に関係なく自分の職位をどんどん上げてゆくことができます。「この人だったら 上位職を任せても大丈夫だな」というときは、こちらから乗組員の評価を会社に挙げ、会社側で人事評価が行われます。コツコツやれる人を上司と会社はちゃんと見ています。
慣れてくるとサボり出す人も出てくるのですが、1~2回呼んでまた教えます。それでダメでも根気よく。諦めてしまってはその人の成長が止まってしまうので。わからないことは先輩にどんどん聞いて下さい。
船員不足の今だったら、自分が頑張ればきちんと評価され、職位もついてきます。若くても30代で船長になることもできます。これから入社される人でも5年間コツコツ一生懸命やっていれば、今いる先輩を通り越して上位職になることも充分にある。職が上がれば給料も上がり、頑張っただけ評価が付いてきます。
船の運航は昼夜関係ありませんので、多少きついところもありますが、1~2か月のまとまった休暇がもらえるところは仕事の大きな魅力ですね。

船長

F・S船長(北海道出身)
3級海技士(航海)、1級海上特殊無線技士、甲種危険物取扱責任者(石油・ケミカル)を保有。