INTERVIEWS
乗組員インタビュー

人々の暮らしになくてはならないエネルギーを運ぶ、
やりがいと責任を感じます。

甲板部 2019年入社
川端 雄人 二等航海士(千葉県出身)

エネルギーを運ぶ責任ある仕事に魅力を感じた

川端 雄人

「海が好き」という漠然とした理由で船乗りを目指し始めました。そもそもは高校が東海大学の附属高校だったので、各学科の説明会のとき海洋学部に興味を持ったことがきっかけです。
勉強していく中で、人々の暮らしになくてはならないエネルギーを運ぶ責任ある仕事に魅力を感じ、タンカー乗りを目指しました。

タンカーでの作業は、練習船のときとは全然違い作業のすべてが初めてのことばかりで大変でした。しかし先輩方がていねいに指導してくれたので、少しずつですが成長することができたと思っています。

例えば指差呼称やダブルチェック。ひとつのミスで事故やケガなどにつながりやすい船の生活の中でなんでもダブルチェックしたり、声に出したりして確認するようになり、安全意識が高まりました。

初めての荷役管理は緊張しました

二等航海士(2nd Officer)になったのが1か月前くらいです。航海当直では最初は甲板員なので先輩航海士の仕事を見ながら覚えていって、三等航海士(3rd Officer)になってから自分で責任をもった航海当直になります。

やはり難しいのは狭水道を通るとき。もちろん船長が上がってきてくれますが、いろいろな船の行き先を見ながら自船の位置を把握してどうもっていくかを決めます。やはり船が輻輳(ふくそう:船舶が多く行き交うこと)する場所は見ていて難しいと感じます。

船が入る、出るタイミングが被らなければ問題ないのですが、霧が出る時期は視界が悪くて船が見えない状態でレーダーに頼らざるを得ず、はじめは怖さがあります。あと、漁船などは急に動いてきたりするので目を離さないようにしています。

航海当直は、航法をきちんと理解した上で、ある程度、自分の中で安全に航行するためのルールと安全基準をもってやっています。石油製品という生活に欠かせない大切なもの運ぶタンカーを操船しているとき、やりがいと責任を感じています。

荷役管理は一等航海士(Chief Officer:通称“チョッサー”)と二等航海士が荷役制御室に入り制御するのですが、最初に入ったときはやはり緊張しました。
荷役の回数は月によってまちまちですが8回から10回くらいでしょうか。今は数をこなして完璧に荷役管理できるよう頑張ってます。

上位職の勉強は乗船中に「やるしかない」です(笑)。海技試験を申し込んだときは休暇中も勉強しました。今後も上級資格の取得と、もっと船のことを深く知るために勉強して、船長を目指します。

集団生活では”人に対する気遣い”を忘れない

タンカーでは毎日集団生活を送っているので、人に対しての態度や気遣いを忘れないようにしています。みんなが気持ちよく生活できることを考えたら、新人に教えるときも言い方ひとつで違ってくることがわかりました。

お互いが気分悪くなるのは避けたいので、できるだけ怒らないように。安全面で危険が及ぶ場合は別ですが。できるだけていねいに教えられれば、伝わりやすいのではないでしょうか。自分でも精神的に大人になり成長したと思います。

仮バースが楽しみ。休暇では最低1回は旅行へ

乗船中の休憩時間は、映画を観たり、雑誌や本を読んでいます。船では航海中はあまりできないのですが、仮バース(公共岸壁での待機)では先輩や同期と食事してお酒を少々飲みながら仕事やプライベートの話ができるのが楽しいです。

乗組員は3か月乗って1か月の休暇というサイクルなので、休暇が1か月あれば海外へ行ってゆっくりして帰ってこられます。例えば混んでいるゴールデンウィークでも1週間ずらせば、空いていて安いときに旅行に行けます。コロナ渦が解消すれば、ですが。

私の場合、1か月の休暇で最低1回は旅行に行っています。大学時代の友人が全国にいるので会いに行って観光したり、その足で親戚の家に寄ることもあります。乗船地・下船地で地域のおいしいものを食べることも楽しみにしています。